問題概要
A
, B
のみからなる文字列$S$, $T$が与えられる.
$S$の部分文字列$s$について, 以下の 4 つの操作を好きなだけ行ってよいとき, $T$の部分文字列$t$に変換することは出来るかという判定クエリに$q$個答えなさい.
A
をBB
にする.B
をAA
にする.AAA
を消す.BBB
を消す.
制約
- $1 \leq |S|, |T|, q \leq 10^5$
- $s, t$はそれぞれ$S, T$の部分文字列.
考察
制約ををざっと見てみると, クエリの数が最大$10^5$個と多すぎる.
判定に使えるオーダーは高々$O(log|S|)$程度だけど, $\log$のオーダーで文字列処理するアルゴリズムなんてあるのか…?
$O(1)$臭が凄いから, 諸々証明出来るか試してみる.
仮説 1. 操作は可逆である
真だったら, それぞれの文字の個数を$\mathrm{mod}\ 3$で考えることにより, 操作 3,4 とその逆は考慮に入れる必要が無くなる.
操作 1, 2 について,
BB
→AAAA
→A
操作 3, 4 については, 操作後に 1 文字は必ず残っているため, その 1 文字が
A
の場合とB
の場合に分けて考える.A
→BB
→AAAA
B
→AA
→ABB
→AAAB
B
→AA
→BBA
→BAAA
よって, 全ての操作が可逆であると分かった.
仮説 2. $s, t$の並びは結果に影響しない
真だったら, それぞれの文字の個数について考えるだけで良くなる. (偽だったら, $s, t$について走査しなきゃいけないから$O(1)$じゃない.)
以下便宜上, 文字A
が$n$個並んだ文字列を[A, n]
と表記する.
自然数$a, b$について, [A, a] + [B, b]
になんらかの操作をすることにより[B, 1] + [A, a] + [B, b - 1]
に変換できたなら, 各操作における A, B の対称性より, その操作を繰り返すと任意の並びにできる(はず).
実際に, 以下のように操作が行える.
[A, a] + [B, b]
[A, a] + [B, 1] + [B, b - 1]
[A, a] + [A, 2] + [B, b - 1]
[A, 1] + [A, 1] + [A, a] + [B, b - 1]
[B, 2] + [B, 2] + [A, a] + [B, b - 1]
[B, 3] + [B, 1] + [A, a] + [B, b - 1]
[B, 1] + [A, a] + [B, b - 1]
仮説 1 より, この逆の操作も行えるため, 示された(と思う).
最後の詰め
先ほど述べたように, 操作 3, 4 とその逆は考える必要がなくなった(操作 1,2 を行って, 最後に差分が 3 の倍数であれば変換可能と分かるため).
$s$の中のA
, B
の個数をそれぞれ$a, b$個, $t$の中のそれらの個数をそれぞれ$a + m, b + n$個とする.
今, 操作 1 を$p$回, 操作 2 を$q$回行うと, A
は$q - p$個, B
は$p - q$個増えるため, $a + q - p, b + p - q$個となる.
よって, $a + m \equiv a + q - p,\ b + n \equiv b + p - q\ (\mathrm{mod}\ 3)$を満たしていれば良い.
ちょっと式変形して$-m\equiv n(\mathrm{mod}\ 3)$ならばYES
, そうでないならばNO
となる.
実装
imos 法で任意区間におけるA
の個数を$O(1)$で取り出せるようにしておいて, あとは上の判定式に突っ込んで出力するだけ.
提出コード(C++🔆)
string S, T;
int Q;
ll umod(ll a) {
ll ret = a % 3;
if (ret < 0) return ret + 3;
return ret;
}
signed main() {
cin >> S >> T;
int len_s = S.size();
int len_t = T.size();
CumulativeSum<int> S_A(len_s), T_A(len_t);
REP(i, len_s) if (S[i] == 'A') S_A.add(i, 1);
REP(i, len_t) if (T[i] == 'A') T_A.add(i, 1);
S_A.build();
T_A.build();
int a, b, c, d;
cin >> Q;
while (Q--) {
cin >> a >> b >> c >> d;
--a, --b, --c, --d;
int s_a = (int)S_A.query(a, b), s_b = (b - a + 1) - s_a;
int t_a = (int)T_A.query(c, d), t_b = (d - c + 1) - t_a;
int dif_a = t_a - s_a;
int dif_b = t_b - s_b;
cout << ((umod(dif_a) == umod(dif_b)) ? "YES" : "NO") << endl;
}
}